昨日からサマータイムでした。いつもよりも1時間早く始まり、1時間早く終わる。眠い・・・ただ、早く終わるのは野球にはよいです。
「キャンディ・キャンディ/FINAL STORY」読み終えました。はぁ・・・好きな野球もそっちのけで、キャンディの世界に浸りきっていました。懐かしかった。
昨年の今頃、原作者の名木田さん本人がときどき現れる掲示板でキャンディ・キャンディのその後の本を出すということを知り、とても楽しみにしていたのに、発売の頃にはすっかり忘れていました。思い出して慌てて外出中の夫にメールをして、買ってきてもらったのですが、最後の1冊(上下)だったそうです。よかった。
丘の上の王子様に再会して終わったコミック版。このFINAL
STORYでは、その後大人になったキャンディが、これまでを懐かしく思い出しています。映画「オペラ座の怪人」で、現在と過去が混じり合ってストーリーが進むあの感じに似ている。さぁ、そのキャンディは愛する人と幸せそうに暮らしているようです。
誰と?どっち?
それが、「あのひと」としか書かれていないんです。(すっきりしない)それでも、よく読んでみるとなんとなく見えてきて、逆にドキドキしてきます。どう考えてもアルバートさんかテリィしか考えられないのですが、どちらだと思います?
以下、ネタばれてますのでご注意を。
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コミック版の他に、子供向けの小説版が出版されていましたが、FINAL STORYでは大人向けの小説版となっています。表現が大人向け。
大人になったキャンディが、これまでを振り返りながら思い出に浸っています。小さな頃から苦難の多かったキャンディも、今は愛する人と暮らしています。幸せそう
誰と?
本の中で、今のキャンディが描かれている部分をピックアップしてみました。
「ポニーの家は遠い。はるか海を隔てていることをこんなに恨めしく思ったことはない。」
キャンディが住む部屋にはポニーの家の絵が飾ってある
「数年前、ロンドンの蚤の市でその油絵を見つけてくれたのは、あのひとだ。」
「昂った気持ちを鎮めようと、わたしは広いテラスに出た。エイボン川が春浅い午後の光をあびて、ゆるやかに流れていく。」
ロンドンのセントポール学院を出て行ったテリィを追うように、学院を出てアメリカへ戻ろうとするキャンディ。そのシーンの後・・・
「アメリカに戻るまでの旅で起こった出来事を話したとき、はじめは大笑いしてわたしの話を聞いていたあのひとは、ふいに真剣な表情になるとわたしをきつく抱きしめた。よく無事だった、と・・・。」
「隣室の書斎の壁は革表紙の書籍で埋まっている。シェークスピア全集、イギリス、フランスの文学書、そして、医学に関する書籍・・・。」
「・・・スザナ・マーロウの死亡記事を見たのは、もう、何年も前のことになる。その記事も一度読んだだけなのに、脳裏に刻まれてしまった。」
テリィからの手紙
「キャンディ 変わりはないか?・・・あれから一年たった。一年たったらきみに連絡しようと心に決めていたが、迷いながら、さらに半年がすぎてしまった。思い切って投函する。・・・ぼくは何も変わっていない。この手紙が届くかどうかわからないが、どうしてもそれだけは伝えておきたかった。」
「あのひと」は・・・もうテリィしかいないでしょう。ネット上を検索してみると、「アルバートさんだと思う!」という方も見かけます。エピローグでは、アルバートさんとの微笑ましい手紙のやりとりがたくさん出てきており、「あれ・・アルバートさん?」と迷ったりもします。
しかし、時系列を考えると、「今」に一番近いのは第Ⅲ章のテリィからの手紙で、エピローグの手紙のやりとりはそれ以前のもの。アルバートさんからの最後の手紙には
「僕はこれからも、きみの幸せがどこにあるのか見極めたいと思っている。」とあります。
そして、上下巻を読みながら感じたのは、キャンディとテリィ二人の強烈な想い。こんなにも想っているのに、すれ違いばかり。丘の上の王子様だったとは言え、アルバートさんとハッピーエンド♪というのは、あまりにも寂しいと思います。それまでのテリィとの苦難はなんだったのか、と。ピックアップした部分からわかるのは
- 今、キャンディは「あのひと」と一緒にアメリカから遠く離れた、エイボン川の近くで暮らしている。そして、書斎にはシェイクスピア全集がある。
エイボン川といえば・・・シェイクスピアの生地、ストラトフォード・アポン・エイボン。実際に川沿いにはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの劇場が建っています。
テリィはイギリス貴族の出身であり、シェイクスピア全集はスコットランドのテリィの別荘にもありました。
キャンディのテリィにあてた未投函の手紙で、アメリカでロングランとなったテリィ主演の「ハムレット」がイギリスで上演されることが書かれていますし。それに「あのひと」がテリィでなければ、スザナを死なせてしまう必要はないと思います。
ということで、キャンディはたくさんの障害を乗り越えて、やっとテリィと幸せになったとさ。
展開的には、ほっとしています。でも、個人的にはアルバートさんも大好き。かっこいいし、お金持ちだし、優しく心が広い。もう完璧な男性でしょう。キャンディをなつかしく読みながら、「あのひとは誰だ」のミステリーにすっかりはまりこんでしまいました。どうやって「あのひと」との今の生活に至ったのか、書いて欲しいなぁ。原作者の名木田さんは書くつもりはないそうですが・・・いつの日か。
「曲がり角を曲がったところには何が待っているかわからない」のですから。